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「アスリートも一人に人間。アスリートに寄り添うセコンド役を担ってほしい!」HALEO チーフ戦略オフィサー(CSO)元PRIDEウェルター級グランプリ王者 三崎和雄さん

WEB改訂を記念して、それぞれの分野でゲームチェンジャー(game changers)としてご活躍されている方にAthlete Wellness®についてお話を伺ってきました。とてもinspiring (インスパイアリング/ワクワクする)なお話です。


第2回目はHALEOハイパフォーマンス ディレクターの村上さんからお話を伺いました。


第3回目はHALEO チーフ戦略オフィサー(CSO)元PRIDEウェルター級グランプリ王者 三崎和雄さんです。

三崎さんは、元PRIDEウェルター級グランプリ王者で、ビッグアーティストのパーソナルトレーナーを務める等、多岐にわたってご活躍されています。


現在は、HALEOのチーフ戦略オフィサーとしてアスリートとスポーツ愛好家の健康をサポートするビジネスを行いながら、格闘道場Team HALEOのメンバーも務めています。


最近は、人が健康で生きるには「食」が大切であるということから、自然農法にも興味を持たれています。


練習以外の時間こそパフォーマンスを高める時間に使うべき

Lottie:現役時代、練習以外に何か取り組んでいたことはありましたか?

三崎さん:練習以外の時間、例えば食事、メンテナンス、インプットの時間を大事にしていました。トレーニングがオンの時間だとすると、トレーニング以外に過ごすオフの時間をいかに大切に過ごすか?と考えていた。また、試合で100%の力を出すには、練習の時も常にいいコンディションでやることを心が得ていました。コンディションはいい状態をキープできるようにしていました。

Lottie:なるほど。具体的にやっていたことはありますか?

三崎さん:パフォーマンスを高めるものを取り入れていました。例えば午前2時間午後2時間練習をするとしたら、その日の練習以外の時間は20時間あります。この20時間を有効的に使うこと。オフの時間を充実させておけば、オンの時爆発的な集中力を発揮できると考えていました。

Lottie: 先ほどの「インプット」について具体的に教えてください。

三崎さん:インプットとは学ぶこと。競技のことしか考えていなかったのですが、強くなる要素は競技の外にあると考えたのです。そして、競技以外のことは何も知らず、運動のことしか知らなかったので、社会のことを勉強しようと思い、まず経済の勉強をしました。つまり、自分を取り巻く環境について勉強をしたのです。経済学、ビジネス書、経営者の考え方と、色々な本を読みました。そうしていくと、色々な共通点が見えてきて、さらに深堀をするために哲学書を読みだしました。そこで色々な考え方や物事の見方があるということに気づき、宗教にも興味がでてきて。その先に何があるのかと考えたら、宇宙に行きついたのです。その時、「何のために勉強をしているのか?」と再度考えたのです。そうしたら子供のころを思い出しました。自分は自然の中で生まれ、自然の一部だと思ったのです。競技のことだけを考えるのではなく、自然と共存していること、視野を広げることの大切さに気付き、それが気を高めることにつながると思いました。勝負の世界は気で左右される部分もあります。エネルギーの根本を見つめたときに、自然との関わり方にヒントがあると思います。例えば、なんで疲れているのか?なんで、うまくいかないのか?その時に世界に目を向けると気分が楽になったり、解決策が見えてくるものです。気を高めれば、明瞭に物事が見えてくると思います。

アスリートはスポーツ選手だけではない、一ミリでも成長したいと考えている人は皆アスリートです

Lottie:私は、アスリートウエルネスを「持続可能なパフォーマンスを支える心技体のバランスの基盤。現役中はもとより第二の人生においても生き甲斐を見つけて、輝く人生を実現できる基盤」と定義をしていますが、三崎さんはこの定義を聞いてどう思われますか?

三崎さん:アスリートウエルネスの前にアスリートの定義は何か?が重要だと思います。アスリートの定義は人それぞれだと思いますし、受け止め方も違うと思います。僕の定義は「プロ・スポーツ愛好家、昨日より今日、一ミリでも成長したいと考えている人はアスリート」です。つまり、アスリートとはスポーツの世界だけではないのです。次に「健康な状態」についてですが、「ストレスがないことが健康」ではない。いかに、ストレスを回避できるかが健康な状態なんだと思います。

Lottie: ライフアスリートですね。私もアスリートはスポーツ選手だけではなく、成長をしたいと頑張っている人はアスリートと定義しています。

三崎さん:そうですね。パフォーマンス、日々の活動、それらが良くできないと次につながらないと思います。そういう視点では、健康は必要だと思います。

Lottie:そうすると、前に進む為の原動力は何になりますか?

三崎さん:自分の成長にはインプットは必要です。自分は何をしなくてはならないのか?次の行動をすることが大切です。考えて行動をすれば、パフォーマンスにつながります。インプットだけでもダメです。自分に何が足りなのかを考え想像すること。そして、行動をすること。それが全てパフォーマンスにつながるのです。日々一ミリでも成長したいと考える、これがアスリートウエルネスだと思います。

Lottie:そうすると、アスリートをサポートする人にもアスリートウエルネスについて理解することが大切ですね。

三崎さん:もちろん。その通りだと思います。例えば、F1レースを例にお話をすると、アスリートはドライバーです。しかし、F1は個人競技ではなく、チーム競技です。そこには、スポンサー、研究開発チーム、メンテナンス、技術者、メンタルコーチ等、多くの人が関わっています。このようなサポーターがいて、ドライバーは運転に集中することができます。ドライバーは全てを一人ではできないので、周りにいる人はとても大切です。アスリートはアスリートである前に一人の人間です。アスリートを支えるサポーターは、アスリートを一人の人間として支えること、アスリートが健康でいられるようにするには、その人の癖、性格を理解しないと支えることはできないと思います。

Lottie:なるほど。アスリートをサポートする人自身にもアスリートウエルネスは大切ですね。

三崎さん:アスリートをサポートする人は、責任感、使命感が強い人が多いと思います。彼らも一人の人間です。心豊かでいること、心身ともに健康でないと、アスリートのパフォーマンスを支えることはできません。

アスリートも一人の人間です。寄り添ってくれる人を求めています

Lottie:生涯現役を考えている人もいると思います。お話を聞いていると、アスリートをサポートする人の役割はとても重要になってきますね。

三崎さん:アスリートは予防を心がけても怪我をします。スランプに陥る時があります。そんな時に的確なアドバイスをし、アスリートをしっかり導いていける人がいるか。アスリートを取り巻く環境はとても大切です。アスリートは孤独で恐怖を感じているので、支える人がいることが大切だと思います。例えば、現役の時、海外遠征に行った話になるのですが、試合の前の日は恐怖と不安で眠れないんです。その時頼るものって、自分の近くにいる人です。アスリートも一人の人間で、そんなに強くないんですよ。そのような時に一番リラックスできる方法を助言できる人を、アスリートは求めているのです。技術より、アスリートに寄り添うことが大切だと思います。近くにいる人がどれだけ寄り添っているのか?だから、アスリートをサポートする人は、常にアスリートにとって何が必要か、何を求めているのか、常に考えている必要がある。生涯のセコンドですよ。アスリートをサポートする人は。

Lottie: 生涯のセコンドですか。深いですね。現在はアスリートをサポートする側にいると思います。どのように思っていますか?

三崎さん:セコンドって、アスリートの定義と同じで、いろんな受け止め方をする人がいます。一緒に練習をする人、一番安心する人。少なくとも自分のなかでのセコンドは、タオルをもっている人。タオルをリングに投げると試合はそこで終わりです。これは選手より、レフリーよりも権限を持っていることになります。しかし、「タオルをリングに投げる」とは、試合を終わらせるという意味だけはなく、「選手の命を守る」という意味もあるのです。少し大げさな言い方になるのかもしれませんが、セコンドは、選手からタオルを渡された時から、「選手と一緒に死ねる」という覚悟が必要で、この関係性、信頼性を築くことがとても重要になります。高いレベルになればなるほど、セコンドは誰でもよいということにはなりません。これは、アスリートの世界だけではなく、どんな世界でも同じだと思います。少なくとも僕はそのような使命感をもってやっています。

Lottie:コロナ禍、スポーツ業界は大変だと思います。レジリエンスやセルフケアが大切だと思いますが、三崎さんはどう思いますか?

三崎さん:コロナに限らず、この世の中で起こっていることは、全て意味のあることだと思っています。コロナ禍、大変な状況だと思いますし、僕も影響を受けています。しかし、どんな状況でも意味があると思っています。例えば、試合当日に怪我や風邪をひいてしまい100%のコンディションで臨めないこともあります。しかし、その時に与えられた状況、条件で自分の100%を作れるか?が大切なのです。今の状況で何ができるか?この時期しかできないことは何か?を考えて行動すること。チーム練習ができないのであれば、その時間は自分だけの為に使える時間。その時に、リハビリみたいな練習をやるとか、体のこと、食事のことを勉強するとか、全てパフォーマンスにつながります。今までやれていたことができなくてなるので人は焦りますが、僕は逆にラッキーなことだと思います。怪我で3か月練習ができない時と同じです。リハビリで普段鍛えないところを地味に鍛えたり、普段できないことをやったり、外を見たり、いろんな人に会ってみる等。そのように地味に頑張った選手は必ず強くなって競技に戻れるのです。競技の感覚はすぐ戻るので、今しかできないことをやることです。私は家族と過ごす時間を大切にしていますが、自分が幸せと思える時間を過ごすことを心掛けています。全てがパフォーマンスにつながることを知っているから。

Lottie: 三崎さんにとってアスリートウエルネスとは何ですか?

三崎さん:心身ともに、生活環境全てのバランスが整っていて、良い状態、健康な状態。ストレスがない状態ではなく、柔軟に対応ができる状態です。

セコンド役を担ってほしい

Lottie:最後の質問です。ホリスティックヘルスコーチLottieに期待することを教えてください。

三崎さん:セコンド!アスリートが輝くにはセコンドの役割を担う人が必要。例えば、神輿は担ぎ手がいないと華やかに舞わない。アスリートが輝くことで、その競技を観戦している人、サポートしている人が元気になり、社会も元気になる。そして、社会は明るくなる。これは農業と同じで、いい作物をつくるには土を耕すことから始まる。アスリートが輝くには、その本質的な基盤をいかに大切にするか?そして、その根っこのところを誰がやるか?それは、Lottieさんの役割だと思っています。そして、沢山のアスリートを支えてほしいと思います。現に僕も支えてもらっていますからね。Lottieさんは、ぱっと、いつでも相談に乗ってくれるし。アスリートはそのように相談できる人がほしいと思います。地道にやるしかないです。僕も選手に気づかされることが多く、それを失敗と思うのか、自分の肥やしとするのか。色々な経験をして、貪欲にチャレンジする気持ちが重要です。選手が一ミリでも成長したいと思って、その気持ちがぶれなければ、チャレンジをすればいいと思います。最後は人間と人間のつながり、どうやって関係を作っていくのか?信頼関係が作れる人とやればいいと思いますし、それができないのであれば、いい指導者ではないので。Lottieさんは貪欲に学び、アウトプットをする、どんどん行動をする。凄いと思います。これからも期待しています。

インタビューを終えて


ご自分の経験を誠実にお話されて、一言一言、言葉の重みを感じました。


厳しいお言葉の中に優しさを感じました。


とてもやさしい口調で淡々とお話されていたのですが、「ヘルスコーチとして本当にアスリートウエルネスをやっていく覚悟があるのか?」を私に問いている気がしました。


今までのヘルスコーチとしての様々な経験を観察していたと言わんばかりに、私は丸裸にされ、魂までをも見抜かれた感じがしました。

お話されたこと全てがとても印象的で、言葉には言い表せないほど感動をしました。これからも色々お話を伺いたいと思いました。


そして、期待を裏切らないように一ミリでも成長していきたいと思います。

短い時間でしたが、本当に貴重なお話ありがとうございました。三崎さんとのご縁を大切にしていきたいと思っています。

お忙しい中、貴重な時間をいただき、本当に感謝しています。ありがとうございました。

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