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「Athlete Wellness®はアスリートセンタードコーチングと根本は同じ、Athlete Wellness®を広めてもらいたい!」HALEOハイパフォーマンス ディレクター村上貴弘さん 

WEB改訂を記念して、それぞれの分野でゲームチェンジャー(game changers)としてご活躍されている方にAthlete Wellness®についてお話を伺ってきました。とてもinspiring (インスパイアリング/ワクワクする)なお話です。


第1回目は、トータルゴルフフィットネス代表の菅原さんからお話を伺いました。


第2回目はHALEOハイパフォーマンス ディレクター 株式会社バイタルストレングス代表取締の村上さんです。

村上さんは、ストレングス&コンディショニングコーチとして、早稲田大学アメリカンフットボール部を始め、2013年から2015年にはラグビー日本代表のコーチを務める等、多くのアスリートのサポートをしてきました。


また、村上さんご自身も学生スポーツ、実業団スポーツとアスリートとしてご活躍されていました。現在は、ご自身の経験を踏まえて、ハイパフォーマンス ディレクターとしてアスリートのサポート、指導者の育成、ジュニア選手の育成に力を入れています。


フィジカルトレーニングだけでは結果はでない

Lottie:現役時代、練習以外に何か取り組んでいたことはありましたか?

村上さん:現在はブラジリアン柔術をやっていますが、それまでは極真空手、アメフトをやっていました。現役時代は、技術を磨くより筋トレやスピードトレーニング等、フィジカルトレーニングを好んでやり、柔軟性やリカバリーもどちらかというと軽視していました。しかし、トップアスリートのサポート経験と自分自身で取り組んでいるブラジリアン柔術を通じて考えが変わりました。

Lottie:どのように変わったのでしょうか?

村上さん:これまでコーチとして関わった、様々な分野の一流のアスリートは、それぞれのトレーニング以上にリカバリーをたいせつにしていること。また、柔術はレベルが上がれば上がるほど、体力よりも技術が重要になり、その技術を実行できる心と体の状態を整えることの重要性を感じています。もちろん、フィジカルの追い込み練習は必要ですし、しっかり追い込み練習ができることは素晴らしいことです。しかし、自分はトレーニングをやりすぎて怪我をしたり、体を壊したりした経験から、フィジカルトレーニング以外のことも大切だと思うようになりました。

Lottie:そうなんですね。具体的に取り組んでいることはありますか?

村上さん:体が硬いので、ヨガを始めました。そして、ヨガでもやるのですが、呼吸法も取り入れて、最近ではPRI(Postural Restoration Institution)をコンディショニングとリカバリーとして作りに取り入れています。また、瞑想も取り入れています。これらは、心のトレーニングというより、リカバリー効果として体感しています。今では、体力トレーニングよりも、このようなリカバリーに効果的なトレーニングに時間を割いています。


Athlete Wellness®はコンディショニングには不可欠です

Lottie:私は、Athlete Wellness®を「アスリートがひとりの人間として、現役中はもとより、第二の人生においても生き甲斐を見つけて輝く人生を実現できる基盤。持続可能なパフォーマンスを支える心技体のバランスを整える基盤」と定義しています。村上さんはどう思いますか?

村上さん:現役時代、ラグビーのナショナルチームのコーチと、様々な経験をしてきました。勿論、沢山の失敗もしました。これらの経験から、トレーニングを一生懸命することは素晴らしいことだと思いますが、トレーニングのやりすぎで体を壊してしまっては元も子もないと感じています。一生懸命フィジカルトレーニングをするのは一つのやり方にすぎません。トレーニングをやりすぎるまでやる、ということは、その裏を返せば、自信のなさなんだと思います。このような状態は、トレーニング依存で心のバランスが良くない状態だと思います。このことは、Lottieさんのヘルスコーチングを受けて自分も気づかされた点です。健康であるからこそ、適度なトレーニング、適切な食事を選ぶことができ、休養もとろうと考えられるのだと思います。

Lottie:確かにそうですね。私も結果が出なかった時期は、トレーニングが足りないと思い、どんなに疲れていてもとことん追い込んでトレーニングをしましたが、結果は出ませんでした。

村上さん:練習やトレーニングのし過ぎで体を壊すのは、本末転倒。これは不健全な証拠です。これもLottieさんのヘルスコーチングで気づかされたのですが、そのような状態は、「何かに頼りたい、依存したい」という気持ちが強く、どこかに問題があるサインなんだと思います。例えば、心の問題、生活環境の問題とか。指導者になった今では、自分の失敗から、追い込むのはいいけど、悪いループにはまるのは良くないし、怪我しては元も子もないとよくわかるようになりました。

Lottie:指導者になってその思いは強くなったんですね。

村上さん:若いうちは体力もあるし、リカバリーも早いからそれでもいいと思うのかもしれませんが、ベテラン選手はそうはいかないです。また、引退後にそのような考え方を引きずっていては、マイナスになることが多いです。


何のためにスポーツをするのか?その目的は大切です

村上さん: アスリートが結果を出したいという気持ちはよくわかります。そして、指導者として結果が出るようにサポートをしたいと考えるのは当然です。しかし、スポーツを通じて得たものは、健全でなければならないのです。ハイパフォーマンスをすることにより、失うものがあってはいけないと強く思っています。

Lottie:そうですね。私はスポーツから多くのことを学び、沢山助けられました。

村上さん:最近、何のためにスポーツをするのかをよく考えるんです。スポーツを通じて、人間が生きていくために必要なことに沢山気づかされます。「デュアルキャリア」という考えがありますが、現役アスリートの時期は、引退後の人生においての成長段階だと思います。アスリートとしての経験は、その後の人生で様々な困難や課題に直面した時に柔軟に対応できる、レジリエンス力として役に立ちます。アスリートの時期は、1人の人間として、大切なことを学べる時期なのです。だからこそ、健康第一でないとダメなのです。

Lottie:素晴らしい考えですね。スポーツ愛好家の視点ではどのように考えますか?

村上さん:アスリートは何かを犠牲にする。だからこそアスリートウエルネスという考え方は大切になります。しかし、スポーツ愛好家にとって、スポーツは体にいいもの、健康維持の手段で楽しんでもらうことが大切だと思います。問題は、スポーツ愛好家がアスリートがやっていることを真似してしまうこと。結果を出したくてアスリートと同じようなことをしてしまうこと。スポーツ愛好家にはそこまでやる必要はないと思いますし、ハードなトレーニングが依存症的になってもいけないと思います。だからこそ、アスリートは逆の意味で、ロールモデルにならないといけないと思っています。

Lottie:そうすると、やはりセルフケアというものも大切になりますか。

村上さん:自分はヨガ、瞑想、呼吸法、PRIとセルフケアを行っています。指導者としては、ハードなトレーニング後にいかに回復を早めるか?を意識して指導をしています。そして、「トレーニングで成長をするのではなく、寝ている時に成長をするのだから、しっかり寝ること」と、常にアスリートには伝えています。睡眠の質を上げるために、寝る前に何をするのか?トレーニングの後に何をやるのか?これは人にお願いしてもいいのですが、できれば自分でセルフケアできるのがよいと思うので、そのような啓蒙をしています。また、心を回復することも大切です。しかし、心について伝えるのは抽象的で難しいので、自律神経の視点で伝えています。自律神経を整えることは、呼吸法でできますし、その結果筋肉の緊張もとれますし、ストレス回復にもつながります。

Lottie:オンデマンド講座(Foundation of Athlete Wellness)で出てくる、レッドゾーンとブルーゾーンのお話ですね。

村上さん:そうです。


コロナ禍、スポーツの価値を見直すタイミングです

Lottie: コロナ禍、スポーツ業界に大きな影響がありましたが、どうしてよいか悩んでいるアスリートは少なくないと思います。どうでしょうか?

村上さん:スポーツを職業にしている人にとっては大変な時期です。だからこそ、スポーツの価値を見直す良いタイミングだと思っています。スポーツからは、コミュニケーションスキル、対人関係、リーダシップスキル、Growth mindset(成長型マインドセット)等、沢山のことを学べます。自分は「アスリートセンタードコーチング」をやっていますが、これはAthlete Wellness®と根本的なところは同じだと思います。つまり、結果を出しても体を壊しては意味ないですし、チームが勝っても、アスリートとコーチの関係が悪ければ、この時の経験を心のトラウマとして引きずってしまいます。今は、コロナ禍だからこそ、価値の創造をする良いチャンスだととらえています。世界のスポーツコーチング界では、競技問わずアスリートセンタードなアプローチが推奨され始めています。

Lottie: 村上さんにとってアスリートウエルネスとは何ですか?

村上さん:ハイパフォーマンスの大前提となるべき基盤です。


Athlete Wellness®はアスリートセンタードコーチングと根本は同じ、Athlete Wellness®を広めてもらいたい

Lottie: 最後の質問です。ホリスティックヘルスコーチLottieに期待することを教えてください。

村上さん:Lottieさんのヘルスコーチングを受けているので、その価値や効果について体感しています。いまでも、色々な場面を通じてコーチングを受けています。やはり、どんな一流アスリート、コーチ、経営者でも、コーチやメンターは必要だと思います。思い込みや固まった考えで判断してしまうので、違う目線でのコメントをもらうことで、色々気づくことがあります。適切な判断をするには、コーチは必要だと思っています。Athlete Wellness®はアスリートセンタードコーチングとの共通点が多いと思います。特に今取り組んでいるジュニア選手の指導では、子供たちの気づきを促し、答えを教えない、自ら考えてもらう指導方法をとっています。これは、子供たちのアスリートウエルネスを大切にしているからです。是非、Athlete Wellness®を広めてもらい、どんどん活躍してもらいたいと思っています。


インタビューを終えて

ご自分の経験を踏まえた、スポーツの価値を見直すことが大切だというお考えはとても印象的でした。


そして、「デュアルキャリア」という考え方も印象的でした。様々な経験を通じてアスリートウエルネスの大切さを実感されているのだと思います。

私のヘルスコーチングを受けていただいたことが縁で、昨年、HALEO Academyで戦略的リカバリー、スポーツ栄養学の講座を開催させていただきました。


さらに、トレーナー・コーチ向けのオンライン講座もHALEO Zoneで提供させていただいています。


偶然にもこの2つの講座は、アスリートセンタードコーチングの視点が含まれている講座になっているので、「根本は同じ」という説明はわかりやすかったです。

これも何かのご縁だと思っています。このご縁を大切にしていきたいと思っています。

お忙しい中、貴重な時間をいただき、本当に感謝しています。ありがとうございました。

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