あなたの脳は「ゾンビ化」している?試合前のスマホが、あなたの集中力を22分奪う…脳神経科学の視点から解説
- Lottie
- 3 日前
- 読了時間: 5分
なぜか今日は集中できない。
いつもなら決まるプレーが決まらない。
「気持ちの問題かな?」
「調子が悪いだけかな?」
そのような経験はありませんか?
もし、「YES」と答えたら、このようなことをしていませんか?
試合前。ウォームアップの合間。移動の電車・バスの中。
気づくと、指がスマホを開いている。
SNSを少し見るだけ。
リールを2〜3本
これ、ただの気分転換…のはずなのに、
実は、あなたの脳をゾンビ化しているだけなんです。
どんなに一生懸命練習しても、最近流行りのメンタルトレーニングを取り入れても結果はでないかもしれません。
「試合・練習直前のスマホ使用は、集中力・判断力・動機づけを低下させる」という報告からわかるように、「意志が弱い」「根性がない」ではありません。自分の可能性に疑問をもつ前に、脳の仕組みを知り、自分の可能性を信じてみてはいかがでしょうか?
(このブログでは、昨年私が参加した、アスリートのメンタルパフォーマンス支援を専門とする SportMind 主催のセミナーで学んだ内容と、関連する神経科学・発達心理学の研究報告をもとに、現場での経験を交えながら整理・解説しています。)
1.スマホは、脳を「受け身モード」にする
長時間のスクロールは、記憶と学習を担う「海馬」の働きを鈍らせます。
神経画像研究では、
スクリーンタイムが長い子どもほど
海馬の体積が小さい傾向
が確認されています。
海馬は、
プレーパターンの記憶
戦術理解
試合中の学習修正
に不可欠な部位。
ここが鈍る=学習効率と判断力が同時に落ちる。
アスリートにとって致命的ですよね。
つまり、「使いすぎは、単なる疲労ではなく、脳の物理的変化リスク」を伴う可能性があるということです。
さらに、短い刺激的な動画は脳を「受け身脳(Zombie mode)」にします。
短いリール動画や高速コンテンツは、
自発的思考 低下
受動的視聴 増加
という状態をつくると考えられています。
つまり、脳は「考える」より「受け取る」モードに切り替わり、
注意持続時間の低下
判断スピードの低下
感覚への没入(ゾーン)困難
が脳内で起きてきます。
競技で必要なのは「能動的集中 ゾーン」。
スマホは真逆の神経状態をつくっている、つまり、ゾーンに入る準備と真逆の状態です。
2.たった数分でも、集中は22分戻らない
研究では、試合や練習直前にSNSを見た場合、約22分間、脳は情報処理を引きずると示しています。
アスリートがコートに入っているのに、脳はまだInstagramの中。
これでは、パフォーマンスが落ちるのは当然ですよね。
セミナーでは、講師が実際の経験談として、ご自身がみているアイスホッケーチームの分析結果を話していました。スマホを練習前に見ていた選手には、
ボール保持率の低下
ターンオーバー増加
判断ミスの増加
といった傾向も確認されたそうです。
そして、実際にスマホ使用率が高いチームほど、その傾向が高いとも。
3.ドーパミン依存と「やる気」の競合
SNSは「即時報酬」です。
1秒 → いいね
1秒 → 新しい刺激
1秒 → 快楽
一方、アイスホッケーは?
10本シュート → 1本成功
長期練習 → 少しの上達
他のスポーツでも同じです。
脳は本来、効率を好みます。
だから、脳は「楽に得られる報酬であるSNS」を優先するようになります。
これが
やる気低下
練習集中力低下
モチベーションの揺らぎ
につながります。
これは性格の問題ではなく、
報酬系(dopamine system)の生理的反応、つまりこれが、スマホ依存の背景です。
4.メンタル面:自己肯定感の低下
私はここが一番大事だと思っています。
スマホ依存は、単なる「時間管理」の問題ではない。
実は…「自己価値感の問題」でもあります。
「いいね」がほしい
誰かと繋がっていたい
取り残されたくない(FOMO)
それは裏を返せば、
「今の自分に価値があると感じられない」
というサイン。
だから脳は、外側の刺激で自分を確認しようとする。
でも本当の自信は、スクリーンの中ではなく、自分の身体感覚の中。
あるプログラム参加者の分析では「87%の若者が『自分を否定的に捉えている』」という結果も出ているそうです。
自己価値が低い➡SNSで承認を求める➡FOMO(取り残される不安)増加➡さらに依存
このループが、
ネガティブセルフトーク
自己効力感の低下
パフォーマンス不安
を強めます。
つまり、スマホは神経系だけでなく、
自己認知まで揺らしている可能性があると考えられます。
5.自分の可能性を信じて、チャレンジするには、どうすればいいのか?
答えはシンプルです。
意志力ではなく「環境設計」。
試合前SNSオフ
夜は寝室に持ち込まない
トーナメント中は制限
家族との対面時間を増やす
これだけで神経系は回復し、集中力は戻ります。
脳は「敵」ではなく、扱い方を知れば最大の味方になる。
最後に
最近、
集中できない
判断が遅い
以前ほど楽しくない
もしそう感じているなら、努力不足ではありません。
あなたの脳が、疲れているだけかもしれない。
パフォーマンスを上げたいなら、
まず守るべきはトレーニング量ではなく、神経系のコンディション。
私がお伝えしているAthlete Wellness 🄬向上に欠かせない視点です。
脳を知ることは自分を知ること。
自分の脳を味方に「なりたい自分」に向かって
チャレンジし続ける喜びを最大限に感じて欲しいです。
今の脳の使い方がわかる脳傾向性診断を受けてみるのも。選択肢の一つです。
脳傾向性診断にご興味のある方は、ご連絡くださいね。
参考文献・情報源
American Academy of Pediatrics (AAP)
Twenge, J.M. iGen
Duke University Screen Time Study (2021)
WHO Guidelines on Screen Time for Children and Adolescents
Canadian Pediatric Society – Youth mental health and screen use
British Psychological Society – Digital media and adolescent mental health
Australian Government eSafety Commission – Social media and youth athletes



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