脳を味方にする──年初の抱負を立てる前に知っておきたい脳の話
- Lottie
- 1月2日
- 読了時間: 3分
年末になると、なぜか「今年も〇〇ができなかった」という反省会が、自分の中で始まることはありませんか。そして、その反省会を踏まえて、年始に「今年の目標」を設定する。
もしそうだとしても、それは意志や性格の問題ではありません。
「目標達成にはSMARTを使うとよい」と言われます。
私自身も、過去にポッドキャストでその話をしてきました。
SMARTとは、(1)Specific(具体的)(2)Measurable(測定可能)(3)Achievable(達成可能)(4)Relevant(関連性)(5)Time bound(時間制約)
確かに、これらがない目標は漠然としていて、行動につながりにくいし、モチベーション向上にもつながりません。
あ~今年もできなかった!
なぜ、私たちは年末になると「自己否定モード」になりやすいのでしょうか?
脳科学者の Wendy Suzuki 先生は、年末に「内なる批判の声」が強くなる理由を、脳科学の視点から説明しています。
年末、私たちの脳は前頭前皮質やデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)を中心に、評価モードへと切り替わります。これは本来、「次に備えるための振り返り」というとても大切な働きです。ただし同時に、脳にはネガティブな情報を優先して拾う性質(ネガティビティ・バイアス)があります。
その結果、できなかったこと終わらなかったこと理想と違った部分ばかりが目立ち、「私はダメだった一年だった」というストーリーが無意識のうちに作られてしまうのです。
脳は、リスクを嫌い、省エネを好みます。だからこそ、失敗しそうな点を過剰にチェックする。それが、年末の「自己否定モード」の正体でもあります。
ここで大切なのは、脳はあなたを責めているわけではない、ということ。
次に備えようとしているだけなのです。
その状態で目標を立てると、何が起きるか?
この「評価モード」のまま年初の抱負を立てると、目標はこんな色を帯び始めます。
去年できなかったから、今年こそ
同じ失敗はしたくない
もっとちゃんとしなきゃ
一見、前向きに見えても、そのエネルギーの出発点はネガティブ。
脳は、とても正直です。向かいたい方向に、エネルギーを流します。
だから「できなかった反省」から立てた目標は、無意識のうちに「できなかった自分」を再確認する方向へ脳を動かしてしまうことがあります。
脳の評価ループを切り替える、シンプルな方法
Wendy Suzuki先生が勧めているのは、とてもシンプルな振り返りです。
「一年を、3つの瞬間で見る」
成長を感じた瞬間
踏ん張った・耐えた瞬間
純粋に嬉しかった瞬間
大きな成果でなくて構いません。むしろ、日常の中の小さな出来事で十分です。
この3つを思い出すことで、脳は「できなかった年」ではなく「ちゃんと生き、積み重ねていた年」として一年を再評価できるようになります。
年初の抱負は、「反省」ではなく「方向」から
脳は、注目した方向に、現実を集めてくる性質を持っています。
だからこそ、年初の抱負は「何がダメだったか」からではなく、
何を育てたいか
どんな状態でいたいか
どちらの方向に進みたいか
という方向づけから始めてほしい。
それは、自分を甘やかすことでも現実逃避でもありません。
脳の仕組みに沿った、最も自然なスタートです。
このブログが今年の目標を立て直すとき、少しだけ視点を緩めるきっかけになれば嬉しいです。正解を探すよりも、まずは「どちらの方向を向きたいか」を静かに感じてみてください。

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