top of page
  • Lottie

「レジリエンス、本当に必要なのはなあに?」のお話

ここ数年、「レジリエンス」という言葉をよく聞くようになりました。


人材育成・人事労務対策として、多くの会社は「レジリエンス研修」を取り入れ始めています。


その多くは、「成功をするビジネスパーソンは、困難をチャンスに変えて成長するための『レジリエンス』が備わっている。心が折れやすい人は、一喜一憂、直ぐ諦めることから、レジリエンスを強めれば、思考に柔軟性が生まれ、ネガティブな事象への的確な対応ができ、挑戦を諦めなくなる」とレジリエンスを鍛えることを目的としています。


たしかに、困難にぶつかったり失敗した時は、「不安を抱く」「困難を避けようとする」など、人によっても反応はさまざまです。


そして、目標に向かって前進しようとすればするほど、多くの困難な状況が待ち構えています。


コロナ禍、メンタルヘルスの問題も増えていて、この不安や困難を乗り切るため、レジリエンス研修は活用されているようです。


実は、メンタルヘルスの問題を訴えているアスリートも増えています。


先月のスタンフォード大学らの調査によって、22.5% のプロアスリートが、今年の3月中旬から8月の期間、一週間のうちの半分以上、気分が落ち込んだり、鬱になったと報告されています。


今年の1月から2月では、同じような状態を報告したプロアスリートは3.9%だったそうです。


この調査は、サイクリスト、ランナー、トライアスリートなどの持久力アスリートを対象にしたものですが、この結果から、他の競技アスリートの中にも、メンタルヘルスの問題を訴えたアスリートは少なくないと推測されます。


調査に参加したレベッカ・メーラ(Rebecca Mehra)さんは、中距離のランナーで、東京オリンピックの選考会の準備をしていました。しかし、コロナの影響で選考会は延期、練習できる環境も制限されたようです。


その結果、彼女も不安な気持ちになり気分が優れない状態にもなりましたが、レジリエンスの力をもって復活することができ、今ではコロナ前よりよい記録を出しているそうです。


他にも、レジリエンスの力で復活したアスリートがいますが、彼らの共通点は、「通常よりも運動量を増やした」ことだそうです。(この調査報告に関する記事はこちらです)



レジリエンス、本当に必要なのは心と体の栄養です


先日のblogで、元ラグビー日本代表のメンタルコーチをされていた荒木香織さんの講演内容を少し紹介しました。


彼女の見解は、


「レジリエンスは環境によって引き出せるスキル。レジリエンスは高い低いではなく、置かれた環境でどれだけ対応できるか?というスキル。本当に必要なのは、自分のケア。自分のことをケアできないと人のことはケアできない。一番大切なことは、ちゃんとご飯を食べて、ちゃんと寝て、ちゃんと休暇を取ること。レジリエンスにはエネルギーが必要。リカバリーが大切。成長したければ、エネルギーがないとダメ。自分の中にパワー、情熱がないと。」


です。


私もそう思います。


法律事務所で勤めていた頃、様々なヒューマンストーリーを見てきました。


エネルギーが不足していると、適切なリカバリーができず、心身ともに疲れます。


そのような状態では、生産性は下がり、適切な判断もできませんし、ネガティブ思考になります。


そうすると、柔軟な対応も困難になります。


トップアスリート同様、ビジネスリーダーやプロフェッショナルの多くは、心と体の栄養が足りないとパフォーマンスに影響が出ることを理解しており、リカバリーを意識をしたエネルギーチャージをします。


その為に彼らは、ビジネスコーチ、ヘルスコーチ、パーソナルトレーナー等をつけ、常に自己投資をしています。


それは、体の栄養も心の栄養も大切だと理解していて、両方を統合的にとらえてリカバリー対策を考えているからです。


バランスのとれた食事を摂っても、心の栄養が足りないと悪いストレスが溜まります。


その結果、体内は必要以上に炎症をおこし、ホルモンバランスは崩れ、食欲、消化、睡眠等に影響を与えます。


また、判断力にも影響がでます。


したがって、体の栄養以上に心の栄養が大切ですし、両方を統合的に考えて栄養補給をすることで、レジリエンスに必要なエネルギーを得ることができるのです。


心の栄養補給、me time がおすすめです


しかし、「自己投資」となると、ハードルが高いと躊躇してしまうのもの。


そこで、おすすめしたいのがme timeです。


me timeとは、自分だけのために使う時間を意味します。


この時間だけは、家族とも一緒に過ごさず、本当に自分だけの為に時間を使います。


心の栄養補給とは、心から楽しいと思えることを行う、心に余裕を持てる時間を作る等、ストレスマネジメントを行うこと。


me timeは心の栄養には欠かせません。


ほんの少しだけ自分の為に時間を使うことで、次のメリットがあります。

  • 忙しさから一度立ち止まることができ、自分自身の存在を再確認することができる

  • 自分自身のために少し時間を持つことに価値がある、と気づくようになると、selfーesteem(自尊心)が構築される

  • 自分のために少し時間を取るとこで、リフレッシュでき、心に余裕が出る

  • 明快さが増し、よりよい判断ができる

  • 対人関係が改善される

この他にも、睡眠の質が上がる、緊張がほぐれる等のメリットもあります。


例えば、好きな本を読む、庭いじりをする、好きな音楽を聞く等、ゆったりとした活動をします。


しかし、この時、何かを完了するために自分自身をプッシュしないように注意が必要です。


また、ご家族や周りの方の協力も必要です。me timeは自分だけの時間なので。


私のコーチングを受けたクライアントもme timeを取り入れた事で、本来の自分らしさを取り戻ししました。


それまでは、些細な事でイライラして、その度に自分が嫌になっていたそうです。


しかし、me timeを取り入れた結果、気持ちが楽になっり、前向きになっていく自分に気づきました。


ちなみに、このクライアントのme timeは、「好きなカフェでラテを飲みながら手芸をする」で、週間1回から始めて、それから、自宅でお花や野菜を育て始め、今では毎日ほんの少しのme timeを継続しているそうです。


理想は、1日のうちほんの少しのme timeを作るのがよいのですが、難しい場合は、このように週一回からでも作るとよいでしょう。


忙しくて時間が無い❗️と感じている方は、タイムマネジメントに課題があるのかもしれません。タイムマネジメントについては、別の機会にblogに書きたいと思います。


閲覧数:35回0件のコメント
bottom of page