• Lottie

「エモーショナル・イーティングの根本原因」のお話

前回のblogで、「トレーニング・リカバリー・食事・休息・生活環境を統合的にみて、最高のパフォーマンスに欠かせない良質なエネルギーを得るには、「食との関係性」が重要なポイントで、『スポーツを心から楽しいと感じているか?』『生きがいを感じているか?』『輝く人生を実現できていると感じているか?』という内的モチベーションも大きく影響をしているのです」とお話しました。

まさしく、Your plate is your life.™(あなたの食事はあたなの人生を反映している)なのです。「食べる行為」「食べ物の選択」は、私たちに色々なことを教えてくれます。

エモーショナル・イーティングのサイン・行動パターンは人それぞれです。必ずしもわかりやすいサイン・行動パターンばかりとは限りません。したがって、アスリート・スポーツ愛好家が、「体重が急激に変動した」「ダイエットを繰り返す」「特定の食べ物を食べない」「カロリー計算にこだわる」「カロリーを消費する為に練習以上の運動をする」といった、本来の目的(最高のパフォーマンスに必要な栄養を摂る、お腹が空いたから適切な食事を食べる等)とは異なる目的で食事をしている場合は、「食事が唯一コントロールできるもの」と考え始めているサインです。その場合は、「何等かの根本原因がある」と考えたほうがよいと思います。

また、サインは「見た目の変化」ではない場合もあります。例えば「練習に集中していない」「ミスを繰り返す」「チームと一緒に食事をすることを避ける」等、アスリートの気分や態度や行動にも表れてきます。したがって、親、トレーナー、コーチ等、アスリートの身近にいる人達は、これらのサインに気づいてあげることも大切です。

食べ物への渇望(food craving)は、体からの信号です

エモーショナル・イーティングと「食べ物への渇望(food craving)」は、よく一緒に議論されます。エモーショナル・イーティングの根本原因を理解するには、food cravingの原因を理解することも大切です。

「食べ物への渇望(food craving)」は、「特定の食べ物や特定の種類の食べ物を食べたいという我慢ができないくらい強い欲求」と定義されています。(Weingarten & Elston 1990 ;1991)ある調査で、868名の大学生に「食べ物への渇望を感じたことがあるか?」と尋ねたところ、女性の97%、男性の68%が食べ物への渇望を感じたことがあるという結果が出ています。(Weingarten & Elston 1991)

食べ物への渇望は、エモーショナル・イーティングの一種で、急に特定のものが食べたくなり、その食べたいものを食べられないと、不快な感情(例えば、イライラや怒り)が湧きあがり、そのものを食べるとその瞬間は満足感を感じます。しかし、その根本原因は解決していないことから、再び渇望が起きます。

何を食べたくなるのか?いつ食べたくなるのか?どうして食べたくなるのか?何が原因なのか?等は人それぞれであり、そのメカニズムは非常に複雑で、解明されていなことも沢山あります。唯一言えることは、「渇望は体からの信号」ということ。

食への渇望の根本原因は、「体のバランスが崩れている」「心のバランスが崩れている」という2つのカテゴリーに分けることができます。

体のバランスが崩れていると、食への渇望症状が出る場合がありますが、その代表的な原因が次の通りです。

· 脱水:脱水が原因で、脳は喉が渇いているのかお腹が空いているのかわからなくなる場合があり、その場合、喉の渇きをいやすという満足度よりも、お腹が空いていなくとも食べ物を食べるほうが満足度が大きいと思い、ケーキ等の食べ物を食べてしまう。エモーショナル・イーターにとって、お水より食べ物のほうが魅力的で、ご褒美と思いがち。コーヒー、ジュースやアルコール等をお水の代わりに飲むという場合もこれに該当される。

· 栄養不足:偏った食事による栄養不足の場合、体は何等かの信号を出しすが、そのような時に甘い物を食べても、不足している栄養補給にならないので、もっと食べたくなる。加工食ばかり食べている場合も同じ。

· 食べ方や食べるものによって空腹を感じる:ダイエットや食事制限で、お腹が空いているのに食べるのを我慢している時がこれに該当する。

· 陰と陽のバランスが崩れている:体内の陰と陽にバランスが崩れていると、足りないものを欲しがる。 

· 運動不足等によるけだるさ

· 食習慣:最近食べたものの記憶、小さい時に食べたもの等家族の食習慣

· 季節

· コルチゾール等のホルモン

心のバランスが崩れていると、食への渇望症状がでる場合がありますが、その代表的な原因が次の通りです。

· 感情とストレス:ハッピー、悲しい等、気分をコントロールする為に食べる。

· 生活環境の問題: 過度な練習、オーバーワーク、家庭環境、職場環境などの問題

· 退屈:刺激がほしいと思い即効性のある「食べる」という行為をとる

· セルフサボタージュ(自己妨害)、自分に自信を持てない、変化への恐れ(成長せずに現状にいるほうが楽と考える):成長や変化への対応はストレスが伴うため、現状に甘んじるほうが楽だと感じる場合や、行動をしない言い訳(例えば、明日からやればいい)をするときに食べる。

· 社会環境・住んでいる場所:ライフスタイル、季節の行事等特定のイベント時に特定の食べ物が食べたくなる。

· 文化的影響:過去の楽しかった経験、幼児体験・記憶(映画館でポップコーンを食べる)

· 食べ物がご褒美になっている、食べ物に依存している

· 堅い考え・強い固定的な考え方による生活スタイル

エモーショナル・イーターは、不快な感情をコントロールする為にcomfort food(幸福感を与える食べ物と言われるものは、砂糖、炭水化物や脂質が多く含まれる食べ物)を食べる傾向にあります。最近の研究で、砂糖、炭水化物、脂質が多く含まれているものが無性に食べたくなるのは、神経ペプチドY、レプチン、グレリン等、摂食ホルモンのバランスが崩れた結果に起こる行動と最近の研究でもわかってきています。

いずれにしても、エモーショナル・イーティングのトリガー、行動、原因は様々で、必ずしも1つではありません。したがって、不快な感情の原因と食べ物の両側面にアプローチをすることになります。

アスリートやスポーツ愛好家は、結果を出す為に一生懸命トレーニングや練習をします。そして、それを結果が出るまでやり続けます。しかし、アスリートが摂食障害になると、結果が出ないだけではなく、様々な問題が生じ、大好きなスポーツを続けることができなる場合もあるのです。

3回にわたって、エモーショナル・イーティングについてお話をしましたが、エモーショナル・イーティングは、良い意味でも悪い意味でも、誰もが経験します。より多くの人にエモーショナル・イーティングについて知ってもらい、正しい知識のもと、アスリートウエルネスの向上、パフォーマンス向上の為に早期に発見し、適切な対応をとってもらいたいと思います。

参考文献

(Weingarten. H.P.,& Elson.D(1990) The phenomenology of food craving. Appetite 14 231-246; Weingarten. H.P.,& Elson.D(1991) Appetite 17 167-175)

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