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心の筋トレ~アスリート瞑想のすすめ~

アメリカではプロ、アマを問わず、多くのアスリートが瞑想をトレーニングに加えているのをご存知ですか?

例えば、アメリカンフットボールのチーム「シアトル・シーホークス」が、マインドフルネスを導入したことでスーパーボールで勝てたという話は、有名です。

今では、限られたスポーツだけではなく、野球、バスケ、ゴルフ、スキーなど、多くのアスリートが瞑想を実践しています。

アスリート瞑想は、スポーツ心理学の教科書にも出てきますし、アメリカではコ―チの間でもかなり注目されています。

今回は、「なぜアスリートは瞑想を行うのか」「アスリート瞑想にはどのような効果があるのか」を、「瞑想の視点」と「スポーツ心理学の視点」から一緒に考えてみたいと思います。

なぜアスリートは瞑想を行うのか?

それは、心技体のバランスを整え、マインド(心)と身体をシンクロさせ、身体感覚を研ぎ澄ますためなのです。

近年のスポーツ科学・脳科学の進歩により、アスリートはサイエンスを用いて効果的にトレーニングを行い、身体レベルを一定のレベルまでは容易に上げられるようになり、練習中や試合中の脳の効率的な使い方を学べるようになりました。

ここで大切なのは、身体と脳がシンクロし、試合で最高の力を発揮させる理想な心理・ピークパフォーマンス状態を、いかにつくり上げるか?ということです。

つまり、鍛え上げた身体と脳がシンクロできていなければ、ハイパフォーマンスにはつながらないと言う事なのです。

身体と脳がシンクロし、最高の力を発揮させる状態を、スポーツ心理学では「ゾーン・フロー」、アスリート瞑想では「マインドフルネス・アウェアネス」と言います。

瞑想の視点から考える

瞑想のメソッドやその教えは様々です。日本人に一番知られているメソッドは「座禅」でしょう。

私が勉強している瞑想は、「True Nature Meditation」と言い、1000年以上受け継がれる、伝統的なチベット仏教のメディテーション・メソッドがベ―スとなっています。

指導者は、指導歴45年を超える、アメリカでも著名なメディテーション・ティーチャーのデイビッド・ニックターン(David Nichtern)。

彼は、エミー賞を受賞したこともある作曲家で、アメリカで数多くの有名企業へのプログラムの開発や、スポーツ選手へのマインドフルネスを活用した能力開発などを精力的に行っています。

マインドフルネスとは何か?


前述で、「身体と脳がシンクロし、最高の力を発揮させる状態をスポーツ心理学では、『ゾーン・フロー』と言い、アスリート瞑想では、『マインドフルネス・アウェアネス』と言います」とお伝えしました。

マインドフルネスとは、Mind(心)+full (満たす・充実)から来ています。ちなみに反対語は、Mindless=Mind(心)+less(無い)です。

マインドフルの状態とは、「自分の動作や所作に心を行き渡らせること」つまり、「動作にしっかりと注意が向いていること」「身体と意識がシンクロした状態で身体に馴染んでいる状態」を意味します。

つまり、散漫な思考や感情をひとところに纒め、身体とマインドを協調(シンクロ)させる力をつけ、“今”“ここ”に意識をしっかり置く。そうすることで、意識があるべき場所に、ある種の心の基準点をつくってくれる。

このような、「心の筋トレ」をマインドフルネス瞑想と言います。

瞑想の方法は様々

瞑想には多種多様な方法があり、それぞれに正しく決まった学び方・進め方があるため、必ず一つの方法だけしかないというものではなく、進み方はいろいろあります。その進め方を知れば自分に合った瞑想を選択することができます。

私が勉強している瞑想では、瞑想を学ぶ段階は、

① 落ち着く

②散漫な思考をまとめる

③周囲に気がつく

④満ち足りる・感謝する

⑤優しさ・思いやりを感じる

といった順序で進むものとされています。

アスリート瞑想のトレーニングをする上で、アスリートはこの全ての段階があることを理解し、意思をしっかり覚醒させます。身体と意識(心)の両方をしっかりと連動させることで、アスリートのパフォーマンス向上に極めて有効な瞑想となるのです。

実際のトレーニングは、マインドフルネスとアウェアネスで、①から③までを中心に行います。

①と②でマインドフルネスを練習:体とマインドを協調(シンクロ)させる力・心の基準点をつくり、知覚や心的な感覚をクリアに感じ取れるようにします。

③で、アウェアネスを練習:散漫さが収まり、体と心がシンクロしていくと、当然身体がしっかりと機能しますので、五感もしっかり働き始めます。それにより自分が置かれている環境を十全に捉えることができるようになり、味や香り、肌の感覚や、見えるもの、聞こえるものに対してより深さと奥行きが出ます。さらに自分の思考や感情の動きについても、五感で外界の事象を捉えるのと同じように感じ取ることができるようになります。

後でお話しますが、これはスポーツ心理学で言う「ゾーン」のいい心理状態で、その感覚(例えば、楽しい、リラックス、気楽な気持ち、時間の遅延を感じる、まわりの動きがスローモーションに感じる、相手の動きが読める、体が自然に動く、集中など)も似ています。

自分の周囲の様々なことが立体的にとらえるられるようになると、環境を楽しめるようになってきます。しかし一方で、事象に気づくだけには留まらず、気がついたものに巻き込まれ、振り回されてしまう危険性も伴います。

なので、マインドフルネスをしっかり習得して心の基準点を持ち、アウェアネスの練習をする事が大切です。

アスリート瞑想では、マインドフルネスとアウェアネスの順番でトレーニングをします。

スポーツ心理学の視点から考える

アスリート瞑想は、心の筋トレとして、アスリートが日々行うトレーニングに取り入れる事が最も効果的な方法と言われています。

(ちなみに、アスリートでなくても、欧米では、常に結果を出すことを求められているビジネスエグゼクティブ、プロフェッショナルの皆さんも、同じ理由から瞑想を積極的に取り入れています)

多くのトップアスリートは、意図的に「ゾーン」を作ることができると言います。

ゾーンに入ると「楽しい、リラックス、気楽な気持ち、疲れない、時間の遅延を感じる、まわりの動きがスローモーションに感じる、相手の動きが読める、体が自然に動く、集中、強気、プラス思考、開き直り、自信、ほどよい緊張、結果を考えない、無意識、やる気、いけるという気持ち、いい心理状態」などを感じ、信じられないプレーができると言われています。

この感覚は、アスリート瞑想で整えられた心理状態と似ています。

スポーツ心理学では、意図的にゾーン入るには、「理想的な心理状態に入ること」が重要と言われ、次の条件がそろって始めてそれが可能となると報告されています。

(1)試合前のプラン

(2)自信と心理状態

(3)身体的準備と心理的準備

(4)興奮のレベル

(5)自分のプレーをどう感じるか、自分の進歩をどう感じるか

(6)プレーへのやる気

(7)環境と状況の条件

(8)集中力

(9)チームプレーと相互作用

(10)経験

この10要件が組み合わさり、総合的に作用して、ゾーンに入るのですが、メンタルトレーニングでは、心理的スキルをコツコツと強化・準備・トレーニングすることで、選手は最高のパフォーマンスを発揮できると考えています。

つまり、リラクゼセーションやサイキングアップを行うだけでなく、イメージ、目標設定、集中力、セルフトーク、プラス思考、本番に対する心理的準備などが組み合わさり、総合的に作用する必要があると考えます。

一流選手の多くは、自分の経験の中でその方法を見つけたり、メンタルトレーニングを学び活用したりすることで、コンスタントに実力を発揮し、結果を出せるようになっていると考えられます。

メンタルトレーニングもアスリート瞑想も、アスリートのハイパフォーマンスを後押しする重要な手段です。

私は、日々マインドフルネス瞑想の練習をしています。そして、練習前や試合前のルーティーンとしてアスリート瞑想を取り入れています。また、練習中・試合中でもアスリート瞑想を活用しています。

自分に合った方法を選ぶのがよいですね。

ちなみに、瞑想は体に深い休息を与える他、脳を活性化することも科学的にわかってきています。瞑想している人の脳では、8つの部分が発達することが明らかになっており、その中でも重要な場所が以下の3つです。

−前頭葉

意志、決断力、アウェアネス、感情規制、そして柔軟性にも関係している場所。

−海馬

記憶と関係している場所。この場所はレジリエンス(回復力)にも深く関係している。

−脳梁

左脳と右脳をつなぐ場所。瞑想をしていると、ここが太くなり、左右の脳のバランスがとれやすくなる。

いかがでしたか?

アスリート瞑想について一緒に考えてきました。 感想・コメント等ありましたら、シェアしていただけたら、幸いです。

「昨日の試合で失敗した。。。」どうもこのコースは相性が悪い。。。」などと想いを巡らせていたら、脳はストレスを感じ、身体は緊張します。この反応が、運動動作や判断の遅れを招きます。たとえ、それが0.01秒の遅れであっても、試合では致命傷となります。

「練習試合では調子がいいけど、公式戦になるといま一歩パフォーマンスを出しきれない。」

「練習での集中が足りず、目的意識を持ってしっかりとトレーニングできない。」

「試合や練習で怪我をしやすい。」

等、なかなか結果が出せなく、悩んでいるアスリートの皆さん。

瞑想は、毎日の練習が必要ですが、身体と心のシンクロする心の筋トレを、日々のトレ―ニングに加えてはいかがでしょうか?

 
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