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アスリート瞑想8週間チャレンジ

今年2月に開催されたワークショップ「アスリートの為のマインドフルネスメディテーション」に参加された、TGF代表の菅原さんが、Lottieオリジナル企画「アスリート瞑想8週間チャレンジ」(“チャレンジプログラム”)に挑戦され、 先日無事チャレンジを終了されました! 


日ごろお世話になっている菅原さんに、アスリート瞑想の効果を実際に体感していただき、プログラムの評価をしていただきたく提案させていただいたところ、快く「OK」をしていただきました。


お疲れ様でした!お忙しい中、本当にありがとうございました!


菅原さんは、以前ブログ「Athlete Wellness🄬 新しい風をトレーナー業界に!」でご紹介させていただきました、ゴルフフィットネス業界の第一人者。多くのプロゴルファー、プロゴルファーを目指している選手、そして生涯ゴルフを楽しみたいスポーツ愛好家の方を指導するゴルフトレーナーです。



アスリート瞑想とは?


アスリート瞑想とは、アスリートがメンタルトレーニングとして実践するマインドフルネスメディテーションです。


シアトルシーホークスがマインドフルネスメディテーションを取り入れた結果、スーパーボールで優勝した話は有名かと思います。


欧米では、多くのトップアスリートがマインドフルネスメディテーションをトレーニングに取り入れています。マインドフルネスメディテーションを勉強しているコーチやトレーナーも少なくはありません。また、東京オリンピックの時に開設されたオリンピックページでマインドフルネスが紹介されるなど、スポーツ業界でもマインドフルネスのブームが来ていると個人的に思っています。(Mindfulness - Olympic State of Mind (olympicchannel.com)


実はあまり多くは語られていないのですが、パフォーマンス向上におけるマインドフルネスメディテーションの効果については、オリンピックのボート競技の選手、プロゴルファー、プロテニス選手等が参加して、様々な研究がされており、その効果もわかりつつあります。特に、不安やストレス軽減、パフォーマンス向上、怪我をした選手のリハビリや摂食障害の選手の治療等にマインドフルネスメディテーションが使われていて、それぞれ目的に合った効果をあげていることを示唆する研究報告もあります。


以前、blogで「マインドフルネスがゴルフのパフォーマンス向上のカギ」という記事を紹介しましたが、その中で、「マインドフルの状態に戻すことができれば試合での結果を出すことができる」という記述があります。例えば、タイガーウッズ選手が行ってなっている10-step psychology routine (ミスショットの後、フェアウェイに向かう時に行う10ステップルーティーン)がありますが、これもマインドフルの状態に戻すプロセスです。


マインドフルの状態とは?


マインドフルとは、「意識をひとところに置く、全ての動作・所作に意識と注意が向いている、心を行きわたせる」ことで、マインドフルの状態とは「身体と意識がシンクロしている状態で身体に馴染んでいる状態」、「マインドが散漫でない状態」「今、ここにいる状態」です。つまり、その瞬間をありのまま、あるがままの状態や状況を評価判断せずに受け入れることができる心の状態を意味します。


マインドフルネスメディテーションは、マインドフルの状態になる、その状態を保てるようにするために行うプラクティスです。多くの人は、「無になる」ことと思ってしまいますが、思考や感情を無くすことや無になることではありません。


メディテーションには様々なやり方や方向性がありますが、「今、ここ」にいるためのプラクティスは、アスリートにとって非常に重要なことだと思っています。なぜならば、アスリートは、試合で最高のパフォーマンスをするために、「秒単位・ミリ単位の動きや瞬間を、正確且つ精密に捉え、状況に応じて適切に且つ柔軟に判断をする」ことが求められるからです。


メディテーションをやったことがある人なら誰もが経験しますが、「今、ここ」にいることは非常に難しいのです。なぜならば、私たち人間の脳は、「考える」ということを止めることはできず、脳の中で意識的に134/秒の情報を処理していてるからです。また、2010年のハーバードスタディーによれば、人は起きている間の46.9%の時間はマインドの世界にいるとのことです。


目の前のことに集中しようと思っても、様々な思考や感情が湧きあがり、集中することが難しかったり、大切な場面で不安や恐怖等悪いイメージに振り回されたりします。また、集中力を持続することや、ミスをした後に立て直すことも難しいと思います。


そこで、スポーツ心理学の世界では、アスリートの様々な人間心理についての研究がされています。集中力を上げる方法、恐怖に打ち勝つ方法、良いイメージを作る方法等、パフォーマンス向上に必要なメンタルを作る、様々なトレーニング方法が研究されているのです。マインドフルネスメディテーションも同様に研究はされており、スポーツ心理学の教科書には、マインドフルネスメディテーションも他のやり方等も紹介されています。


実際、私もマインドフルネスメディテーションを実践してから「練習時の集中力の持続」「試合での崩れが少なくなった」と、コーチが気づくぐらいに効果が現れました。


チャレンジプログラムの概要


スポーツ選手のパフォーマンス向上に関するマインドフルネスメディテーションの効果を検証した研究報告によれば、8週間から12週間(早い人で6週間)で効果が表れたという報告があります。そこで、スポーツ心理学の理論、マインドフルネスメディテーションのテクニック、そして実体験等を参考に、チャレンジプログラムを次のよう構成しました。


  • 期間:8週間

  • 30分/レッスンを週1回(合計8回)

  • 期間中週4~5回 15分独りで坐ってもらう

  • 期間中はメールでのフォロー付き


レッスン時間を1時間にするのがスタンダードなのですが、時間的制約などを考慮して今回は30分に設定しました。


チャレンジプログラムの初日は、目的と方向性を説明した上でマインドフルネスメディテーションのやり方を確認し、15分坐ってもらいました。そして、チャレンジプログラムの期間中は、基本正しく坐れること、継続して坐れることを目標にし、しっかり坐ってもらいました。レッスンでは、菅原さんのプログレス状況を見ながら、彼の課題や質問に答えていきました。そして、5週目のレッスンでは五感を研ぎ澄ますアウェアネスメディテーション、6週目のレッスンでは歩くメディテーションをやり、「今、ここに戻る」という感覚をさらに体感してもらいました。また、マインドフルネスメディテーションの方向性やメンタルトレーニングとしてどのように活用できるかのディスカッションをするなど、あっという間の8週間でした。


チャレンジプログラムの感想


菅原さんにチャレンジプログラムの感想を伺いました。


Q:2月のワークショップで初めてマインドフルネスメディテーションに挑戦して、今回改めて挑戦してどうでしたか?


A:2月のワークショップでは、ただ坐るだけなのにとても難しいと思いました。また、何となくメリットはわかる気がするけど、「これが変わった」と目に見えてわかるものがないし、継続して坐ることも難しいと思いました。今回は、坐ること、坐り続けることはできましたが、指導者なしで一人でチャレンジするのは難しいと思いました。


Q:今回のチャレンジプログラムに参加して何か変わりましたか?


A:最初はあまり変化を感じませんでしたが、チャレンジプログラムが進むにつれて、「こころの落ち着き」を感じるようになりました。そしてチャレンジプログラムが終了するころには、プラクティスをしている時だけでなく、日常生活においても思考や感情が沢山浮かんでくることを実感することがでました。仕事中に色々な思考や感情が浮かんできて、チャレンジプログラムに参加する前は、その思考や感情につかまってしまって集中力を持続することが困難でしたが、思考や感情をそのまま受け入れて、評価判断せずに手放すテクニックを使うことで、集中力を持続させることができることを実際に体感することができました。また、集中力を妨げているのが思考や感情であることも理解できました。


Q:今回のチャレンジプログラムに参加してみて、アスリート瞑想のメリット・デメリットは何だと思いましたか?


A:メリットは、「心の落ち着き」、「集中力の持続」、「ミスの後の崩れを減らす」等パフォーマンス向上に必要な要素を得られるという点。デメリットは特にないと思いますが、やはり継続して坐ることの難しさはあると思います。また、継続して坐らないと効果が現れなかったり、薄れたりするという点、そして、効果が「坐った人の体感」という点がアスリート瞑想を説明する上でわかりづらいところだと思います。これは、他のメンタルトレーニングも同じだと思いますが、効果を可視化することができたらもっとわかりやすいと思います。


Q:ゴルファーや他の競技のアスリート・スポーツ愛好家にとって、アスリート瞑想はパフォーマンス向上の為のトレーニングの選択肢の1つになると思いますか?


A:なると思います。勿論、技術に問題があったり、フィジカルコンディションに問題があれば試合で結果は出ません。しかし、技術やフィジカルコンディションに問題がないのに、試合で実力を発揮できない選手やスポーツ愛好家は沢山います。多くは「集中できてない」「ゾーンに入れていない」等と自分を責めたり、環境のせいにしたりしますが、どんな状況でも柔軟に対応できる心の強さを持ち、思考や感情を手放して目の前に集中することができれば、実力は発揮できると思います。「強くて柔軟な心を鍛える」「思考や感情を手放すことができる」テクニックを習得する意味でも、アスリート瞑想は選択肢の1つになると思います。


Q:選手やスポーツ愛好家の方にアスリート瞑想を勧めたいと思いますか?


A:はい。きっかけがあれば、チャレンジしてみるといいと思います。アプリなどを使って我流でやることもできると思いますが、初めはちゃんとしたテクニックを習得して、方向性を間違わないで行う為に、ちゃんとした指導者から学ぶことがいいと思います。


Q:チャレンジプログラムをやって瞑想のイメージは変わりましたか?


A:はい、変わりました。瞑想と聞くと「宗教」「スピリチュアル」といったイメージが先行してしまいますが、アスリート瞑想は、メンタルトレーニングの1つということがわかりました。瞑想のメソッドは仏教由来ですが、実際に宗教の話、スピリチュアルの話は全くなく、それらを連想させるようなことも一切なかったです。瞑想は、「ただ坐る」だけ、座禅のように辛い「坐る」というイメージもあったのですが、そのようなことも全くありませんでした。誠実に自分と向き合うために、瞑想のテクニックを精密に行っていくことの大切さもわかりました。


チャレンジプログラムを終えて


安定して坐れるようになる、効果を感じとることができるまでのスピードは、流石、菅原さん。早かったと思いました。楽しく一緒にチャレンジプログラムができた事、そして、アスリート瞑想の効果を体感していただけたこと。本当に良かったと思います。お忙しい中、本当に感謝しています。ありがとうございました。


練習の時はコーチやトレーナーが側にいて助言をしてくれます。しかし、試合では選手は独りで考えて、判断してプレーをしなくてはなりません。誠実に自分と向き合って、自分の思考の癖を知ることは、どのような状況になっても冷静に判断してプレーができる柔軟で強いメンタルを育てる為に必要だと思います。アスリート瞑想はそのメンタルを育てます。


瞑想の難しさは継続すること。どのようにトレーニングルーティーンに入れていくかが課題だと思います。また、脳科学の発展と共に、瞑想の効果は可視化されてきていますが、実際のところ坐った人の体感でしかわからないことも多く、様々な体感を繋いで、その効果を理解していくことになります。しかし、継続して坐れば、徐々に確実に効果は現れます。


アスリート瞑想は、パフォーマンス向上のみならず、協調性、主体性、ストレス軽減、睡眠の質の向上といったセルフケアにも役立つので、是非多くの方にチャレンジしてもらえたらと思っています。


今回のチャレンジプログラムを通じて、色々なことがわかりました。これからもアスリートやスポーツ愛好家の方のサポートができるように、色々模索していきたいと思っています。


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